TPPって結局どうなったの?
2018年12月にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は発効した
それまでは、日本の農産物が守られなくなるから大変だと報道されていたが、アメリカが不参加を表明したら、急に報道しなくなったけど、どうなったのか
TPPから見えてくる、今後の農業を見てみようと思う
TPPとは
簡単にいうと
モノやサービスを貿易する際の関税をなくして、より経済を発展させましょうという約束だ
関税があると、輸入したものは国内品より高く販売される傾向にある
それで、国内の製品を消費しやすくして、国内の企業が利益を出せるようにしている
関税がなくなると、輸入した製品が国内製品より安くなり、最悪の場合、国内の企業が倒産してしまう
ん?関税なくして経済発展しましょうって約束なのに、逆に不景気になる?
実は、この約束は経済レベル、人口等が同程度の国々で取り決められると、経済発展が期待できるが、輸出大国が参入すると主従関係になりえる
つまり、輸出国にとってはいいが、輸入国にとってはあまりよくない
(消費者的には良いが、経済全体でみるとあまりよくないという意味)
TPPで貿易するものとしては、食品、衣料品、木材などのモノから金融、電子通信サービス、労働、投資まで幅広くある
政府の試算での経済効果は、輸入により-2.9兆円、輸出で2.6兆円、投資で0.5兆円、消費で3兆円の効果があり、トータルで3.2兆円の経済効果があるとしている
ということは、安くなった海外製品をたくさん買い、海外に投資し、輸出をたくさんしないと、試算通りにならない
TPPの問題点
ここでは主に農業に関することを紹介する
農家と自給率
政府の試算では農林水産物の生産減少額は1,300~2,100億円とある
https://www.cas.go.jp/jp/tpp/kouka/pdf/151224/151224_tpp_keizaikoukabunnseki01.pdf
日本全体で約10兆円なので、最大でも2.1%の減少が見込まれる
その分、農家が減り、食料自給率の低下を招く
(政府試算ではなぜか全く減っていない)
自給率が低下すると何が起こるか
有事の際に大きな影響が出てしまう
具体的には、新型コロナウィルスによる中国からの輸入が滞っている
(3/8時点では、在庫がまだあり、学校給食がなくなったので、むしろ価格は下がっているものもある。長期化すれば高騰するだろうが)
また、外交の材料にされたら、とんでもないことだ
中国とアメリカの関税合戦はいい例だ
TPP内では関税を新たに作るのは禁止されているので、大丈夫だと思う
自衛的な意味で自給率を上げるのは賛成だ
こういった懸念があるので、輸入量制限→農家の減少防止→自給率の向上→TPP反対という流れがある
補助金
ただ、反対派は本気で反対なのかは別の話
反対したほうが補助金をより多く引き出せるのだ
どういうことかというと
政府としてはTPP参加したい
農業関係者は反対意見
では、政府は選挙で当選するために多くの票を持っている農業関係者を無視してTPPに参加できない
となると、TPPに参加する代わりに、補助金を出すという落としどころになるのではないか
それも、政府の動向を見ていると農家個人ではなく、法人に割り当てられるように思える
担い手不足による兼業農家の減少、農地法等の改正による農業法人の推奨から、そう思う
まとめ
日本の農業は労働集約型で生産性が高い
また、日本の農産物は海外で評価が高い
なので、国内需要だけを見ていれば、いつか海外の企業に参入されてしまうが
先手を打って輸出すればチャンスはあるのではないだろうか
恐らく今後の農業は、大きな農業法人が、高品質なものをバンバン輸出しまくるのも近いのではないだろうか
農産物以外にも、その技術や設備も輸出していくことも大切だと思う
それにTPPで米や牛肉など主要なものは関税を設けてあるので、急激に産業が衰退することはないと思うので、その間に変化していく必要があるのではないだろうか
ではまた
早わかり!肥料とは
結局肥料ってなんなの?
植物の生育に必要なものでしょ?
実はそれだけでは無い
もうちょっと踏み込んだ肥料の世界にご招待
肥料とは
肥料とは植物の生育させるための栄養分として人間が施すもの
植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物をいう
とある
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A5%E6%96%99
生育させるとあるが、市販されている野菜のように大きく味のあるものを早くたくさんできるために使うものである
なので、そこまで早く大きくさせなくても良い場合は、特に必要ではない
歴史
最初に肥料を使い出したのは、農耕が始まってからすぐだ
原理はわかっていなかったと思うが、焼き畑により灰が肥料分となっていた
それから有機質のたい肥を使い、産業革命後は化学が発達して、植物生理が解明されていった
植物生理
植物は光合成し、成長する
光合成でできたものは炭水化物だ
つまり砂糖のようなエネルギー源だ
それを種や実などにエネルギーを蓄えたり、新芽の成長にも使われる
光合成する葉緑素を正常に保つため、また新たな葉緑素を作るため肥料分が必要だ
つまり、葉の面積を大きくし、背丈を高くし、水をよく蓄えられるように根を広く張るために肥料が必要である
言い換えると、光合成をよりたくさんできるよう準備するのに必要だ
簡単いうとこうだが、実際はもっと複雑で、気温、湿度など様々な条件があり、まだ解明されていないことが多い
どんなものがある?
では、実際肥料とはどのようなものがあるのか
化学肥料
一番使われている肥料
通称、化成(かせい)
植物の生育に必要な元素を化学合成して効率的に行うためのもの
メリット
- 安価
- 機械化されている
- 効き方が選べる
- 分かりやすい
デメリット
- 土壌バランスを崩しやすい
使い勝手が圧倒的に良いので、一番使われている
その分不足したと思い、過剰に投入してしまうことが起きる
そうなるとしっかりと土壌分析して対応しないと難しい
入れるのは簡単だが、抜くのは時間がかかる
有機肥料
植物や動物を発酵させて自然の力で還元したもの
たい肥ともいう
メリット
- バランスが良い
- 長く効く
- 土壌改良にもなる
- 微量元素も含む
デメリット
- 量が必要
- 発酵過程の匂いが悪臭
- 即効性はない
- 単体の成分はない
肥効は化成より劣るが、土の比重が重い場合は土壌改良になる点が大きい
それにより化成よりも効率的に肥料の効果が出せる
例えば
化成だと100の量を与えて、植物が吸収できたのが60とする
たい肥の場合は80の量しかないが、植物は70吸収できたなど
バランスは良いが、足りないものだけを補えないデメリットもある
その他、微量元素
主に化成やたい肥の場合、窒素、リン酸、カリ、マグネシウム、カルシウムが主に考えられている
しかし、植物はそれだけではなくて、ほかにもなくてはならない元素がある
ホウ素、鉄、マンガン、、、
これらの元素は微量元素呼ばれ欠乏すると肥料の吸収が妨げられたりする
また、肥料の吸収は主に根で行われるが、実際は菌の働きが大きい
有用な菌を用いて肥料の効果を高めるものもあるが、どれくらい効果があるかはよくわからない
一度土壌を殺菌してからなら効果がありそうな気がする
注意点
そんな肥料も注意点がある
窒素飢餓
窒素は植物を大きくするのに必要だ
窒素は多く吸収されるので、消費はほかの元素よりも激しい
有機質のたい肥では炭素含量が多いと、微生物が分解する際に窒素を使用してしまう
その結果、窒素不足に気づかない
C/N比と呼ばれる
肥料焼け
肥料を多くあげすぎるとどうなるか
肥料分を吸収できず、逆に根から水分がでてしまう
なぜか
肥料の成分は塩基類とよばれる
つまり塩と似たようなもの
海水を飲むと喉が渇くと同じように、浸透圧の関係で濃度が高いほうへ水分が移行する
根の濃度より土壌の濃度が高いと、このようになる
害虫
窒素を余分に吸収させると、害虫が寄ってくる
窒素が植物内で硝酸態窒素となり、その匂いにつられて寄ってくるらしい
この辺りはまだわからないことが多いが、経験的に当てはまる
窒素以外を最初に吸収させて、窒素が一番低い状態で与え、全量使い切ってもらう
方法が良いといわれている
拮抗作用・相互作用
ある肥料をたくさん与えた後に、別の成分を与えても、それが吸収されないことがある
例えば
カルシウムを多く与えた後に、カリウムを与えてもカリウムは吸収されない
これはなぜか
土壌の中では肥料成分はイオン状態となって土に吸着している
吸着されていないものは植物に利用できない
その吸着量は保肥力とよばれ、その上限が決まっている
カルシウムを先に多く与えたため、カルシウムが吸着量いっぱいになり、
カリウムが吸着できなくなってしまった
これとは逆に、相互作用によりマグネシウムとリンはお互いに吸収をよくする
参照
石灰・苦土・カリの切っても切れない関係 - お役立ち農業辞書 - 株式会社京都農販
まとめ
肥料は作物を目的の大きさに早くおいしく作るために必要であるが、過不足が起きないようにすることが大切だ
そのためには、日ごろからよく観察し、ちょうどよい状態を知っておく必要がある
まずは状態が分かってから対処しないと、どんどん泥沼化してしまう
何事も多すぎても少なすぎてもダメなのだ
新型コロナウィルスで思うこと
中国武漢を発端とした新型コロナウィルスの事件
マスクや消毒液の品薄で、いつ収束するか不安である
中国では外出禁止により、工場での生産ができていない状態
これが続くと、生活用品や食品など中国に依存していたものが無くなる
カロリーバースだが、自給率37%の日本は中国にたくさん依存している
こういう非常事態には、毎日消費するものがなくなってしまう
食べもの、燃料
こんな時に農家は強い
まず、選ばなければ食べ物はある
燃料も1回の給油分くらいの備蓄はある
農家じゃない方は、医者じゃないけど、お抱え農家があれば良い
昔は兼業農家が多かったが、今は少ない
近所の農家は普段から仲良くなっていると、こういういざという時に助かる
あなたは知り合いに農家がいますか?
コメ入門~歴史から学ぶ今後の農業~
日本の主食、米。
今日は米の歴史を少し。
稲作は、2400年前の縄文中期から後期にかけて始まり、
弥生時代に水田の技術が確立されたとされている。
その後、ずっと米は不足していた。
しかし、技術革新や平和な時代になり、1955年には大豊作、1967年には過去最高の1425万トンの収量を上げた。
その後、輸入米や食文化の変化、人口比率の変化を受けて、米が余ってしまった。
米不足の時代から、米余りの時代に変わった。
量が満足したら次は質やサービスだ。
品種改良により、増収を目指したものから、徐々に食味を良くする品種が開発されてきた。
その代表例がコシヒカリだが、その後も多様な品種が開発されている。
また、米の販売ルートが緩和されスーパーやインターネットでも買えるようになった。
今後は質やサービスに特化するために、増収よりも安定収量、時短、小分け、日持ち、配達、栄養強化、環境保全、ブレンド、アソート、などが今後も増えてくるキーワードではないだろうか。
ちなみに、2018年の消費者の購入基準は「価格帯」が65%で、「品種」、「精米してからの期間」と続く
新しい文化を作るか、ニッチなストーリーを売り込むか、生産側としては一年に一回しかできないし、それが年収になるから大きな冒険はできない。
が、消費者としては選択肢が増えてよいと思う。
言いかえると、消費者側も自分が信じたストーリーを選択する必要がある。
まだまだ、自然の中にある農業は解明されていないことが多く、どれが正解かわからないことが多い
だが、少なくとも自分が信じたことを守れば幸せではないだろうか。
参照:最新版 図解 知識ゼロからのコメ入門(八木宏典監修、家の光協会)
意外と知らない農薬の誤解
日本の農業は農薬を多用し、生態系を破壊している!
発ガン性のある農薬を大量に投入した作物を食べさせられている!
だから、農薬を使用していない有機農業が素晴らしい!
とよく見聞きしますが、ホントにそうなのか?
そんな疑問をもったあなた
ここでは農薬とはどのようなものかが分かるよう、ご紹介する
農薬の歴史と役割
科学技術の進歩前
農薬という概念は紀元前からあり、ローマやギリシャで使われ始めた
植物を煮出した汁やワインに種子を浸漬し種をまいていた
ユリ科のバイケイソウを利用したり、マメ科のデリスの根の汁など、植物が持つ防除反応等をよく観察して利用していた
日本では江戸時代にクジラの油を田んぼに張り、ウンカという害虫を油に落として退治していたのが始まりとされている
1732年の享保の飢饉はウンカの大量発生が原因だ
19世紀になると除虫菊の枯れた花の周辺で虫が死んでいるのを発見
1924年には、科学技術が躍進し、スイスで除虫菊の成分であるピレトリンが発見される
ピレトリンの構造を一部改良し現在のピレスロイド系の誕生が1945年だ
その後も自然界からヒントを得て殺虫剤のDDTなど、農薬の開発が盛んにおこなわれた
太平洋戦争後
日本では戦後から広まった
終戦後中国や朝鮮半島から帰国した方にノミやシラミを退治するためにDDTが使われた
戦後食料難を乗り切るために農業でもDDTが使われた
1949年には殺虫剤BHC、1950年には除草剤2,4-Dが発売された
このころは環境や人体への影響よりも餓死させないことが優先事項であった
ベトナム戦争
しかし、そんな農薬はベトナム戦争で使われてしまった
アメリカ軍が苦戦していたゲリラ部隊を撃退しやすくするため、強力な枯葉剤をしようした
戦後になりベトナム市民やアメリカ軍のベトナム帰還兵の間で、枯葉剤への接触を原因とする健康被害や出産異常が発生した。
また、レイチェルカーソン著書の「沈黙の春」が1962年に発売され、世間で化学合成された農薬の危険性への意識が一気に増大する
技術革新による変化
ベトナム戦争時に使用された枯葉剤のような人体に大変有害な農薬はあった
それを応用した農薬も同じくらい危険だ!なんて事は今はない
ベトナム戦争で人体への影響が大きすぎたので、影響は少ないが効果が高い農薬の開発が盛んになった
そのため現在では人体への影響が少ないものがほとんどだ
少ない量で同じ効果がだせるようになった
むしろ、いままでの機械でも使えるようにカサ増ししているくらいだ
分解が早く残留性が少ないもの、特定の病害虫にだけ効くものもある
また、自然界での食中毒などの病原が次々と発見され、それらから人を守るために農薬の開発も行われた
環境への低減と安全性が優先されてきてた
安全性
では今は全く気にしなくてよいのか?
0か100かの話ではない
どんなものにもリスクがつきもので、食塩や砂糖も取りすぎたら毒になるし、取らな過ぎたら生命の危険だ
ほどよく付き合っていくのが良い
仏教用語で中道というところだ
では実際どんなリスクがあるのだろうか
ADI(許容1日摂取量)
農薬を新たに登録する際は動物実験を行い毒性を検証している
マウスにいくつものパターン(短期的、長期的、経口、接触、吸引)で倍率を変えて農薬を与える
半分のマウスに異変があるか死亡する量を検証する
その量を超えない検証量を1/100倍し、それをADI(許容1日摂取量)とし、基準にしている場合が多い
ADI(許容1日摂取量)とは、毎日その量を摂取しても、健康に影響がないと推定される量だ
しかしこれは1つの農薬限定の話
日常たくさんの種類の野菜を食べるので、ADIを基準に各食品に残留農薬基準を振り分ける
そうしてトータルでその農薬のADIを超えないようにしている
では実際残留農薬から野菜をどれくらい食べたらADIに到達するのか
厚生労働省の調査を参照にすると
平成29年の調査では、平均一日摂取量(µg/人/日)の対 ADI 比(%)は 0.000%~0.907% の範囲であった。
つまり今の1000倍食べ続けても体に異変が出る確率は半分以下である
だが、これは事故がない場合の話
実際にはどんなリスクがあるのだろうか
使用間違い
一番不安なのは、新しい農薬が出ることで農家の使用間違いが起こることだ
農薬の使用方法は作物別、作型や時期、対象害虫、散布方法、散布量などにより使用する農薬と希釈倍率が変わる
例えば、欄を一つ読み間違えると2000倍の希釈が500倍の希釈になってしまう
参照にバイスロイド乳剤のラベルを添付する
てんさいの欄を見てほしい
同じ作物同じ害虫だが、10aあたりの散布量により希釈倍率が異なる
読む欄を間違えて使用してしまう可能性がある
また希釈計算を間違えてしまうかもしれない
計量容器を間違うかもしれない
また違う作物に同じ害虫が発生したら使用してしまうかもしれない
これらの方が事故につながりやすい
検査監督方法
そのような事故を出さないように残留農薬の検査をしている
保健所や民間団体が不定期で抜き取り検査を行い、基準を超えた場合は回収し指導と検査頻度を上げる
これで農家にも緊張感を持たせている
農協に卸している農家では、農協から農薬を指定され、使用方法も指導されるので、このようなことはめったに起こらない
問題なのは道の駅等で販売されている少量のものは検査される頻度が少なく
農薬の知識を持たず、独自に農薬を買って使用した場合はリスクが高いといえる
農薬の被害者になりうる場合
では農薬被害が起こるとしたらどのような場合か
それは農薬を使用している農家、もしくはすぐ隣の家だ
1952年群馬県で殺虫剤パラチオンの摂取による死亡事故が起こってしまった
19歳の女性がパラチオンの容器を拾い上げて、手洗いせずに口の中に指を入れてしまったため起きた事件
パラチオンに限らず、このころは毒性が低くないので、少量でも命取りになってしまった
また農場のすぐ隣に家がある場合は気を付けたい
農家もそこはすごく気を付けているので、風の強い日や時間は農薬散布しない
(まぁ、散布しても流れて効果が薄くなるという理由もあるが)
なので、通常生活で特に都心は農薬を気にすることは無くてよい
海外との比較
そうは言っても海外と比較すると、日本の農薬使用量は異常だ!
たしかに面積当たりの使用量は海外と比較すると多い
参照 FAOSTAT(縦軸はKg/ha)
これは面積あたりに多くの農薬を使用していることを示す
なぜか
・日本は人口密度が高く農地が小さく、集約的に栽培しなければならないため
・四季があり、それぞれで病害虫が異なるため
・農薬を多く必要とする作物を育てているため
が考えられる
特にアメリカは遺伝子組み換え種子を使用しているので、農薬の量が少ない
植物自体に農薬成分を生み出すようコントロールしているし、少ない回数の除草剤で十分だからだ
つまり、もっと農地が増え、米、麦、大豆など比較的農薬の使用量が少ないものをたくさん食べ、多少おなかを壊しても騒がなければ、農薬の使用量は減るのだ
乱暴に言いすぎたが、農薬がなければ、今の食生活は維持できないのだ
実はこれも農薬
とまあ、いろいろ書いたが、農家自体が農薬をあまり使いたくないので、現在はいろいろな農薬がある
虫
自然の摂理を上手に利用した生物農薬
代表的なのはアブラムシを食べるテントウムシ
他にはハチやダニなど様々な害虫の天敵をハウス内に放ち害虫被害を低減する方法だ
しかし、これは生き物を利用するので、100%の効果は出ないし、餌である害虫がいなくなると死んでしまう
また害虫は成虫になっているが、天敵は幼虫など時期がずれると手遅れになってしまう
でんぷんや油
でんぷん糊や油(マシン油)を利用して、害虫を窒息させる農薬
こちらはたくさん頻繁に使用しないと効果があまりない
そしてその後洗い流さないと作物にでんぷんや油が付いたままになってしまう
しかし、使用者にも安全な農薬である
まとめ
農薬は安全だ
人の安全を守るために使用している
安心してよい
むしろ、怖い怖いと言いながら食事をすることのほうが、精神衛生上よくない
新鮮なものを水洗いして汚れを落として、バランス良く、笑顔で楽しく食事するほうがよっぽど重要だ
ではまた
遺伝子組み換え食品の問題とは
遺伝子組み換え食品と聞くと、どんなイメージをお持ちですか?
一時期とても騒がれましたが、ここ数年はテレビで報道されていないように思う。
私自身も理屈はわかっていたが、反対意見の方が何に対して不安なのか知りたくて、少し勉強。
そこで浮かび上がってきたことを並べてみようと思う。
全部書くと長くなるので、ここでは技術的なことは割愛する。
ちなみに、私は推進派でも反対派でもなく、選択肢が増えてよりよい未来になればと考えている。
どこかから金銭的支援もいただいておりません('ω')ノ
遺伝子組み換え食品の問題点
- 安全性への不安
- 元モンサント(現バイエル)の思惑
- まとめ
1、安全性への不安
- 食べたら癌になる。
- 大豆にナッツのアレルギーが含まれる。
- 予期せぬ副産物がある。
などなど、これ以外にも問題視する声はあるが、どれも論点が巧妙にすり替わっているように見えた。
●食べたら癌になる。
フランスのNGO「遺伝子操作に関する独立情報研究機関」(CRIIGEN)が癌になる論文を発表した。
この論文で安全ではないと断定しているが、実験方法が適切でなかったり、発表後すぐに映画化されている点を考えると、結果ありきの実験だったのかなと思ってしまう。
この論文は、その後撤回されている。
まぁ、またすぐ他で掲載されているが。
●大豆にナッツのアレルギーが含まれる。
大豆にナッツの遺伝子を付け加え、栄養素の補完をしようとして、開発された遺伝子組み換え大豆があった。
しかし、発売前の検査でナッツアレルギーの反応があったため、発売を断念している。
予期せぬアレルギーがあったらどうするんだ!とおっしゃるかと思いますが、むしろ検査がしっかりしている証拠になったと思った。
●予期せぬ副産物がある。
1988年に昭和電工が発売したL-トリプトファンという商品がEMSを発症させた事件。
アミノ酸を製造する際に遺伝子組み換え大腸菌を利用し、その不純物がEMSを引き起こしたのではないかという見解だった。
予期せぬ副産物があるではないかと反論する材料だ。
こちらもよく読んでみると、適量使用なら良い効果をもたらすそうだが、取りすぎるとEMSを発症させてしまうらしい。
単純に取りすぎたと考えるのが普通だ。
これら以外にも不安視する事例はあるが、どれもよく見ると断定できないことばかりだ。
それよりも、モンサントという会社が問題のように思えた。
2、元モンサント(現バイエル)の思惑
モンサントは遺伝子組み換えの種子で世界中の利権を得ようと急ぎすぎたように思う。
試験区での緩衝地を6m以上となっていたところを2mしかとってなかった。
正直どっちでもあまり意味はないと思うが、言われたとおりに従わなかった。
また、ラウンドアップ試験では防護服を着て行ったため、イメージダウンにつながった。
遺伝子組み換えしていない作物に遺伝子組み換えの花粉が付いたら、訴訟を起こした。
インドでは独占した後に値上げしすぎた。
ビジネスモデルが良くなかった。
農産物は命にかかわることなので、市場の競争原理を大きく逸脱して独占しようと急ぎすぎたように思える。
こんなことしなければ今頃得られていたのではないか。
バイエルに買収され、すこしはまともになってほしい。
3、まとめ
遺伝子組み換えよりも確実なゲノム編集技術も台頭し、2019年にはそれの販売が始まり、徐々に組み換え食品が広がりつつあるように思う。
農家は騙されて種を買い続けることはしないし、選択肢が増えることはいいことだと思う。
普段見聞きている情報はだいたい2次情報だ。
2次情報は他人のフィルターがかかるため、事実と感情が混ざってしまう。
その情報を流す人は、それでどんなメリットがあるのか考える必要がある。
もう、テレビや新聞の情報が、嘘は言わないが本当のことも言わないとわかっているのではないか。
適切に情報収集することで、良い未来になることを願う。
ではまた。
参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/トリプトファン事件
食べてはいけない遺伝子組み換え食品 /安田節子 著
遺伝子組み換え食品どこが心配なのですか /アラン マキュアン 著
誤解だらけの遺伝子組み換え作物 /小島正美 著